質問3
どうすれば効率よく用語を覚えることができますか?
本日は、「日本史の用語の覚え方」について考えてみたいと思います。
この話をするとき、私はよくどんなふうに用語を覚えているかまず聞きます。
すると、語句だけをみている受験生が多いんです。
具体的にいうと、
「645年にはじまる一連の政治改革を何というか?」→「大化改新」
で終わってしまうパターンです。
用語を覚えたはずなのに、すぐに忘れてしまうという人はこのパターンかもしれません。
この覚え方をしている人に、逆の質問をすると詰まってしまうことが本当に多い。
上記の事例でいうと…
「大化改新とはどのような政治改革か」→「645年に中大兄皇子を中心とする勢力が蘇我蝦夷・入鹿を滅ぼしたことを機に、氏姓制度の弊害を打破し、公地公民制への移行をめざす政策方針を掲げたり、地方行政組織を整備するなど、律令制導入の前段階となる中央集権体制をめざした孝徳天皇時代の一連の改革である。」
どうでしょう、逆の質問にも答えられましたか?
用語というのは、文章化できてはじめて定着し、使えるものになります。
いくら語句だけを覚えようとしても、用語に対する理解がない場合、その記憶は一時的でしかありません。「用語を覚える」というのは、簡単なように見えて実は難しい…。
もしかすると、この文章を読んでいる人の中には、「私は共通テストまでだから、論述するわけじゃないし」と思っている人もいるかもしれませんね。
では、ここでセンター試験と共通テストにおける単純な用語選択問題数についてみてみたいと思います。
【単純な用語選択問題数(文や用語内容を選ぶ語句選択は除く)】
2019年本試験(センター試験)…10問/36問
2020年本試験(最後のセンター試験)…9問/36問
2021年第一日程(共通テスト1年目)…4問/32問
2022年本試験(共通テスト2年目)…3問/32問
2023年本試験(共通テスト3年目)…5問/32問
共通テストはセンター試験に比べて全体の問題数は減少したわけですが、その減少分の単純な用語選択問題がなくなったことがわかるはずです。
特に共通テストでの語句選択問題は、2022年の「姓や苗字を問う問題」や2023年の「戦国時代の京都における商業の中心地を調べる方法として何に注目すればよいかを問う問題」など、語句選択問題といえどセンター試験よりも思考力を必要とするものもあります。こうした状況をみれば、用語を説明できる力が必要であることは言うまでもないことが分かってもらえると思います。
ただ、用語を一つ一つ文章として清書するというのは、現実的ではありませんね。ですから、用語を口頭で説明できる状態をつくることが大事です。日本史を論述で使う人は、50字ほどで簡潔にまとめる練習も並行して行うとよいでしょう。
ここまで読んでもらったらと分かると思いますが、用語を定着させるというのは、はじめは時間がかかるし、効率的じゃないと思うはずです。ただ、実際には基礎を安定させると、後の実戦演習は確実に効率的になります。
効率的というのは、即効性があることではありません。受験直前のタイミングでいかに効率的な状態にしておくか。ここをぜひ意識してみてください。
ちなみに、現行の共通テストで用語の理解をせず無理やり語句だけを詰め込んでも、得点しづらいのは、以下の日本史B平均点の推移をみても明らかでしょう。
【日本史B平均点の推移】
2019年本試験(センター試験)…63.54点
2020年本試験(最後のセンター試験)…65.45点
2021年第一日程(共通テスト1年目)…64.26点
2022年本試験(共通テスト2年目)…52.81点
2023年本試験(共通テスト3年目)…59.75点
遠回りなようにみえて、基礎を身に付けることが何よりの近道。もし、即効性のある方法があるなら、誰しもその方法で平均点は90点を越えているはずでしょう。そうならないのは、即効でできるようになる方法はないということの裏返しです。このことにいち早く気づき、いち早く基礎を磨き始められるかが、本当の意味での効率よく覚えるということにつながります。
次の質問では、さらにそんな用語を説明する際に欠かせない指標について考えてみたいと思います。